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    • 2022.04.18 Mon 11:32

    「利他学会議vol.2」のアーカイブを未来の人類研究センターYouTubeチャンネルで公開

    2022年3月20日~21日の二日間にわたって開催された「利他学会議vol.2」。今年はご登録いただきつつも視聴がかなわなかった方々も多かったようで、昨年度に続いてたくさんのアーカイブ希望の声をお寄せいただきました。そこで、今年も未来の人類研究センターのYouTubeチャンネルで公開いたします。



    利他学会議vol.2 第一日目(2022年3月20日 日曜)


    ■セッション1「テクノロジー×コモンズ」
    • 徳島
    • バルセロナ
    https://youtu.be/MsIawXcNNgY

    • ▶︎分科会1(90分)
      ゲスト:真田純子(東京工業大学 環境・社会理工学院 准教授)
         吉村有司(東京大学 先端科学技術研究センター 特任准教授)
      パネリスト(未来の人類研究センターメンバー):
         中島岳志(利他プロジェクトリーダー、政治学)<司会>
         磯﨑憲一郎(文学)
         山崎太郎(ドイツオペラ/ドイツ文学)
         木内久美子(比較文学)

    • ▶︎ちゃぶ台トーク(30分)
       伊藤亜紗(センター長、美学)<司会>
       國分功一郎(哲学)
       北村匡平(表象文化論)




    ■セッション2「移民×ホームレス」
    • メキシコ
    • 北九州
    https://youtu.be/m3GEZPLuH-s

    • ▶︎分科会2(90分)
      ゲスト:渡辺暁(東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 准教授)
         奥田知志(NPO法人抱樸理事長、東八幡キリスト教会牧師)
      パネリスト(未来の人類研究センターメンバー):
         北村匡平(表象文化論)<司会>
         伊藤亜紗(センター長、美学)
         國分功一郎(哲学)
         木内久美子(比較文学)

    • ▶︎ちゃぶ台トーク(30分)
       伊藤亜紗(センター長、美学)<司会>
       中島岳志(利他プロジェクトリーダー、政治学)
       磯﨑憲一郎(文学)
       山崎太郎(ドイツオペラ/ドイツ文学)




    利他学会議vol.2 第二日目(2022年3月21日 月曜・祝日)


    ■セッション3「食×労働」
    • 食堂
    • 酒蔵
    https://youtu.be/QBIgYmzD2a4

    • ▶︎分科会3(90分)
      ゲスト:小林せかい(「未来食堂」店主、東京工業大学 理学部数学科OG)
         戸田京介(三軒茶屋醸造所杜氏、東京工業大学 生命理工学院OB)
      パネリスト(未来の人類研究センターメンバー):
         山崎太郎(ドイツオペラ/ドイツ文学)<司会>
         伊藤亜紗(センター長、美学)
         中島岳志(利他プロジェクトリーダー、政治学)
         國分功一郎(哲学)

    • ▶︎ちゃぶ台トーク(30分)
       國分功一郎(哲学)<司会>
       木内久美子(比較文学)
       北村匡平(表象文化論)




    ■セッション4「菌×霊長類」
    • 体内
    • 熱帯雨林
    https://youtu.be/z9W0qe786f8

    • ▶︎分科会4(90分)
      ゲスト:山田拓司(東京工業大学 生命理工学院 准教授)
         山本真也(京都大学 高等研究院 准教授/野生動物研究センター 兼任准教授)
      パネリスト(未来の人類研究センターメンバー):
         伊藤亜紗(センター長、美学)<司会>
         中島岳志(利他プロジェクトリーダー、政治学)
         磯﨑憲一郎(文学)
         北村匡平(表象文化論)

    • ▶︎ちゃぶ台トーク(30分)
       伊藤亜紗(センター長、美学)<司会>
       中島岳志(利他プロジェクトリーダー、政治学)
       磯﨑憲一郎(文学)
       國分功一郎(哲学)
       山崎太郎(ドイツオペラ/ドイツ文学)
       木内久美子(比較文学)
       北村匡平(表象文化論)




     

    未来の人類研究センターYouTubeチャンネル 利他学会議vol.2再生リスト

    https://youtube.com/playlist?list=PLB-LbuIraLigWsLRvxxEcscU4Bt0UZOx-

    ■Q&A、コメントへの回答について

    開催中にいただいたQ&Aへの返答に、渡辺暁先生が後日加筆してくださいましたので、以下にご紹介いたします。

     

    分科会2 Q&A

    1:(匿名の参加者)

    渡辺さんに質問です。
    私自身もメキシコ系の方が多く住むロサンゼルス郊外に一年間住んでいたことがあり、大変興味深くお話を拝聴いたしました。
    質問ですが、アメリカ社会の問題として移民、というとどうしても文化的や経済的に孤立してしまいがちかとは思うのですが、サンラファエルに移民したぺトの人は、他の文化的背景を持つ移民や地元の人とどのような交流が見られたのか、印象的なことがあれば教えていただけますでしょうか。

    ▶︎(当日のチャット上での)回答
    先程申し上げたことで、お答えになったでしょうか。ご質問ありがとうございました。

    ▶︎質問者より
    先程質問したものです。大変参考になりました、お答えありがとうございました。

    ▶︎さらに回答
    ありがとうございました。ただ、私の申し上げたような事例ばかりでなく、どうしても孤立してしまう方もいらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。(リーマンショック直前は、移民の人達にとってかなり将来が楽観できる時代だった、というのもあると思います。)そのあたり、差し引いて聞いて頂けたらと思います。

    後日加筆:当日申し上げたのは、簡単に言うと、移民の人達は、そもそも何かしらの人のつながりを頼って故国から移民しているので、外から見えるよりずっとネットワークを持っているのだ、ということでした。(この「ネットワーク」のよくある形としては、今回の発表でも紹介した同郷者同士のつながりですが、最近の例でいうと、数年前に話題になった移民キャラバンの人たちは、SNSを通じてあれだけの大集団を作り上げた、というのも、「ネットワーク」の新たな形なのかな、と、あとから思いました。)

    また、イチロー選手の「同じメジャーでプレイする外国人選手として、スペイン語圏の選手たちは自分にとって親しい存在なのだ(うろ覚えで恐縮ですが、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事で読んだご発言です)」ということばにも現れているように、米国の中で移民同士で交流する、ということもあるのだと思います。メキシコ系の人たちが中心になった「死者の日」のイベントに、ベトナム系移民の人達が参加する(うろ覚えですが、ベトナムにはお盆のような特定の日はないのか、と聞いたら、彼らにとっては毎日が死者と交流する日なので問題ない、とうかがった記憶があります)というのも、そういう別の地域からの移民同士の交流の一つの形なのかな、と思います。


    5:(三ツ堀広一郎先生)

    渡辺先生へ
    移民のあいだにカトリック信仰は根強く残っているということなのでしょうか。神父さんもそうですが、死者の日も、カトリックの伝統的なお祭りだと思います。移民のホーム=物語の形成にあたって、カトリック信仰自体はどのような役割を果たしているのでしょうか。

    ▶︎回答
    ありがとうございます!先程申し上げたことでお答えになっていますでしょうか。教会の役割は、信仰という意味でも、組織という意味でも、重要なのではないかと思いますが、私自身まだまだ勉強不足で、ちゃんとした答えができずにすみません。今後また、フランスの事例も教えて下さい。

    後日加筆:フランス語の三ツ堀先生からのご質問でした。あのあと色々と考えたのですが、プロフィール写真に使わせてもらったドニャ・チェパの口癖もPrimeramente Dios(まずは神様の思し召し)でしたし、カトリックの信者であるということは彼らのものの考え方をとても日常的なレベルから規定しているように思いますし、また教会の組織というのも、移民の人たちにとって重要な役割を担っていると思います。(もちろんそれだけではありませんが、多くの支援団体が教会をベースにしています。)國分さんの第一声も「信仰とは」というお話でしたが、彼らの行動様式としても社会的な組織という面でも、移民という現象にとって教会の存在は大きいのではないか、と思いました。コメントありがとうございました。


    分科会2 コメント

    渡辺暁: 言い忘れましたが、奥田さんの「時が来る」という話で思い出したのですが、私は50を過ぎて、今までずっと書こう書こうとしていた教科書を書き始めています。やっとその時が来た、という感じなのかもしれません。最後に言おうと思っていい忘れてしまったので、チャットに書かせていただきました。

    後日加筆:
    セッションから2週間がたってしまいましたが、本当にいい機会を頂いて感謝しております。私の力不足で、メキシコの移民の人達の様子をあまりうまくお伝えできず、大いに反省しておりますが(写真で攻める、というやり方は失敗でした:もう少し文字情報を使うべきでした)、奥田さんそしてセンターのメンバーの皆様のお力で、全体としてはすばらしいセッションになったと思いました。(無責任な言い方ですみません。)コメントも拝読しました。拙い話でしたが、何かが伝わったようで、ありがたいことだな、と思いました。どうもありがとうございました。

    なぜ車の中からの参加となったのか、についても、簡単にご説明申し上げます。うちは子供が小さいので、週末に仕事があるときは子供が遊べる場所に移動して、そこから接続することにしています。このときもいつもお世話になっている、山梨県甲斐市にある玉川温泉さん、というところから、参加させていただきました。(とてもいいお湯で気持ちのいいところなので、宣伝させていただきました。皆さんも是非足をお運びください。)

    ちゃぶ台トークの最後、磯崎さんにチェス(特にボビー・フィッシャー)の話を振られたとき、うまく反応できずにすみませんでした。フィッシャーというと孤高の天才のようなイメージが流布していて、実際そういう側面も大きいのですが、最近何かで調べたのですが、実は若い頃は彼にも仲間がいて、ロシアの本を借りたり、練習試合をしたりしていたらしい、という話、あるいは私自身、チェスを通じて研究だけしていて走り合わなかったような、いろいろな方と知り合ったのだ、という話でもすれば、ちょうど今回のセッションのテーマともつながったのにな、と思いました。またぜひ、フィッシャーに限らず、チェスの話をさせて頂く機会があれば、と思っています。(例えば今回のウクライナでの戦争の関連でいうと、ウクライナもロシアもチェスはとても盛んで強い国ですが、今ウクライナのチェスプレイヤーたちはどうしているのか、という記事がチェス専門のウェブサイトに載っていたりして、通常のメディアとは別の角度で、戦争の様子を知ることができました。[Chess.com, “Ukrainian Chess Players In Times Of War,” Mar 19, 2022.])今後ともどうぞよろしくお願いいたします。