- 2021.05.11 Tue 19:16
センターメンバー5名全員がそれぞれの視点から考える『「利他」とは何か』
未来の人類研究センターが発足と同時に掲げたテーマ「利他」について、この1年、利他プロジェクトとして実施されてきた研究会や対談、鼎談などを含むさまざまな研究を通じて、センターメンバーの5名(伊藤亜紗・中島岳志・若松英輔・磯﨑憲一郎・國分功一郎、敬称略)がそれぞれの専門を通じて考えたことが、本になりました。
・『「利他」とは何か』924円(税込)
伊藤亜紗編著、中島岳志・若松英輔・磯﨑憲一郎・國分功一郎著
2021年3月17日発売 集英社新書
五名それぞれ、立っているフィールドは違いますが、お読みいただければ、同じキーワードや観点を共有していることが分かると思います。
本書は、単なる論文の集まりという意味での「論集」ではありません。私たち五名は、東京工業大学のなかにある人文社会系の研究拠点「未来の人類研究センター」のメンバーとして、現在進行形で共同研究を行っています。私たちは「利他」という問題をめぐって、日々意見を交換し、雑談し、わいわいと議論しています。
本書は、私たち全員がはぐくんできた利他をめぐる思考の、五通りの変奏です。その意味では、五章すべてが、五人による共著ともいえます。
(伊藤亜紗「はじめに──コロナと利他」から抜粋)
本書の五人は、「未来の人類研究センター」で、この厄介な「利他」という問題に取り組んできました。読んでいただくと分かると思いますが、五人のアプローチの仕方はさまざまで、それぞれ専門分野も異なります。
しかし、驚いたことに、利他をめぐって共通する人間観に行き着きました。それは「うつわになること」です。本書のポイントは、ここにあるといえるでしょう。
(中島岳志「おわりに──利他が宿る構造」から抜粋)
○集英社HP 書籍紹介ページ
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-721158-0
この記事に登場するメンバー:
伊藤亜紗先生
中島岳志先生
若松英輔先生
磯﨑憲一郎先生
國分功一郎先生