Project
利他
最初の5年間、未来の人類研究センターは「利他」をテーマにかかげて活動します。
現代は、排他主義がはびこり、分断が加速する時代です。他者と競い合い、弱者を切り捨てる能力主義的な発想。得られる利益の量でつきあう相手を決める功利主義的な人間観。数値に置き換え可能なものばかりが評価され、そうでないものは切り捨てられる傾向。私たちをとりまくこの殺伐とした世界のなかで、もういちどよりよい社会を、より充実した生を構想するにはどうしたらよいでしょうか。
そこで手がかりになるのが、「利他」という視点です。自分のためではなく、自分でないもののために行動する。一見不合理にさえ思える、しかし私たちが確かに持っているはずのこの人間の性向のなかにこそ、人類について、社会について、科学技術について、まったく新しい仕方で考え直すヒントがあるのではないか、と私たちは考えています。能力主義とも、功利主義とも、数値による評価とも違う、人間の人間らしい側面を利他の光で深く照らし出すこと。それが、私たちのかかげる「利他学」です。
政治、経済、宗教、AI、環境、宇宙…研究の領域は多岐に及ぶでしょう。さまざまな分野の研究者や専門家との出会いを大切にしながら、貪欲に触手をのばし、利他学の領域を開拓していくつもりです。その方法も、文献調査、フィールドワーク、実験、作品制作など、従来の人文社会系のディシプリンにとらわれない、東工大ならではの柔軟なアプローチを試みます。
センターでは、その成果を、シンポジウムや書籍、あるいはウェブ記事、ラジオといった多様な仕方で発信していきます。(すぐに見られるのは、このサイト内の「Pick up words」コーナーです)
みなさまのお力を借りながら、人間を真の意味で自由にするような科学技術、人間がより人間らしく生きることのできる社会を実現するために、さまざまな種をまいていきます。どうぞ、私たち未来の人類研究センター「利他プロジェクト」にご期待ください。
Project Contents
現代は、排他主義がはびこり、分断が加速する時代です。他者と競い合い、弱者を切り捨てる能力主義的な発想。得られる利益の量でつきあう相手を決める功利主義的な人間観。数値に置き換え可能なものばかりが評価され、そうでないものは切り捨てられる傾向。私たちをとりまくこの殺伐とした世界のなかで、もういちどよりよい社会を、より充実した生を構想するにはどうしたらよいでしょうか。
そこで手がかりになるのが、「利他」という視点です。自分のためではなく、自分でないもののために行動する。一見不合理にさえ思える、しかし私たちが確かに持っているはずのこの人間の性向のなかにこそ、人類について、社会について、科学技術について、まったく新しい仕方で考え直すヒントがあるのではないか、と私たちは考えています。能力主義とも、功利主義とも、数値による評価とも違う、人間の人間らしい側面を利他の光で深く照らし出すこと。それが、私たちのかかげる「利他学」です。
政治、経済、宗教、AI、環境、宇宙…研究の領域は多岐に及ぶでしょう。さまざまな分野の研究者や専門家との出会いを大切にしながら、貪欲に触手をのばし、利他学の領域を開拓していくつもりです。その方法も、文献調査、フィールドワーク、実験、作品制作など、従来の人文社会系のディシプリンにとらわれない、東工大ならではの柔軟なアプローチを試みます。
センターでは、その成果を、シンポジウムや書籍、あるいはウェブ記事、ラジオといった多様な仕方で発信していきます。(すぐに見られるのは、このサイト内の「Pick up words」コーナーです)
みなさまのお力を借りながら、人間を真の意味で自由にするような科学技術、人間がより人間らしく生きることのできる社会を実現するために、さまざまな種をまいていきます。どうぞ、私たち未来の人類研究センター「利他プロジェクト」にご期待ください。
©️ Naoki Ishikawa